双アーティスト展、今回は多田正美の作品のご紹介です。

現在双ギャラリーで行われている、双アーティスト展。
4人目にご紹介する作家は多田正美になります。
多田は、双ギャラリーを絵画、彫刻に止まらず多様な方面に目を向けるきっかけとなったという意味でも、重要な作家かもしれません。
1986年、一周年記念展として70年代「もの派」をテーマにした展覧会を行いました。そしてサウンドにも関心がありましたので「70年代・環境・即興・音楽・その無名性の展開」という展覧会を開きました。その中の作家の一人が多田正美でした。
当時、同じ樹を1年間365枚、同じ時間、同じ場所で撮るというコンセプチュアルな写真を撮っていました。この写真に興味が湧き、翌年に個展をしてその後今日まで30数年関わってきました。
即興演奏を「サウンドエンカウンター」というネーミングで、主体としては竹・枯れ枝・石、他に電子音も用い、音に変換できるものは凡ゆるものを使って音を出す、という方法で音のパフォーマンスをしてきました。
多田は1973年、昭和音大を卒業。その後、美学校で小杉武久に教えを受けます。
1999年から2000年まで文化庁在外芸術家研修員としてオランダのアイントホーフェンで学びます。
写真の技法としては、写真の上から電気ゴテでドローイングする。透明メデイウムを写真に乗せ、またその上から描く。と、進化をしていきます。

星光軌跡の写真は夜空でも一際明るい星の、金星にピントを合わせ自分の身体を動かせて空にドローイングしています。
自宅の空を10数年も撮っていましたが、この写真のような不思議な空が撮れました。この頃から自分の家の近くの山の自然に目が向くようになります。
そして次第に木々の緑濃い世界から大地に視線が移ってきました。


月光軌跡
2008
カラー写真・エレクトリックドローイング/アクリル加工
45.5×30cm

星光軌跡
2008
カラー写真・エレクトリックドローイング/アクリル加工
30×45.5cm

日中070512.10:44:59
2008
カラープリント+エレクトリック・ドローイング/アクリル加工
70×105cm

風景の場・夏 #12
2009
カラー写真/フレーム共に透明メディウム
30.5×45.5㎝/44.5×59.5㎝
上記の4点の作品は現在展示中です。

夕方 070801.06:58:34pm
2008
カラープリント、エレクトリックドローイング
90×135cm



 


双アーティスト展

一色ちか子、伊藤誠、島州一、多田正美、出店久夫、中里伸也、保坂毅、松崎昭彦、山田恵子
2020
627日(土)〜89日(日)
金曜日〜日曜日のみのオープン
13
001800(日曜日は17:00まで)
尚、体調不良の方は御来廊をご遠慮くださいませ。またお越しの際はマスクの着用をお願いいたします。
また今後、新型コロナウイルスの感染状況により、再度休廊とさせていただく場合がございます。最新の情報はホームページやブログなどからご覧くださいませ。