出店久夫展 実景虚図ーダンス・ダンス

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出店久夫の展覧会は3回目である。
今回は今までの展覧会とは少し赴きが違うような感じがする。
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ダンス・ダンスというタイトルだが、ダンスを使って人間を、生を、主題にしているように思う。若いダンサーたちが、乾いて凍てついた大地に息吹を与えているように。
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ダンスは人間のメタファーであるとも言える。どこか出店の仕事には死の臭いが付き纏う。終始一貫、広大な大地が壊れてしまったような廃墟のイメージがある。こども達と、どこにもいないような動物が生き残り、微かな希望を繋ぐ。それは目を覆いたくなるような光景であるが、何処か出店の暖かい視線を感じる。作品の前で素朴とも言える訥々と語る出店の姿勢は、作品の暗さを忘れさせてくれる、何か強いメッセージがあるようだ。
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ダンサーたちが大地を蹴り、輪をえがきながら踊り続ける。それは恰も大地に息吹を与えるかのような躍動感がある。制作も今まではコラージュを消したような不思議な構成だったが、今回はコラージュを全面に出したような画面構成になっている。新しいことが沢山加わり、出店の意気込みを強く感じられる作品群になった。

出店久夫展 実景虚図—ダンス・ダンスー

 2013年6月21日(金)〜7月14日(日)
金・土・日曜日のみのオープン
13:00〜18:00(日曜日は17:00まで)