双アーティスト展、今回は保坂毅の作品のご紹介です。

6月より行なっている双アーティスト展。7人目のアーティストのご紹介は保坂毅です。
保坂は、双ギャラリーでは一番若い作家になります。
初めての個展は2016年でした。それから2018年、2019年から2020年に渡って「rearrangement」「へだてとまやかし」「余白の外側」を行いました。一見、何の関連性のなさそうなタイトルが並んでいます。
しかし、実は熟慮したタイトルでもあり、考え抜き、無駄を削ぎ落とした作品群だと言えると思います。
保坂は2005年に武蔵野美術大学院造形研究科美術専攻油画コースを終了しました。
最初に保坂の作品を見た時、彼のセンスの良さに惹かれました。しかし単なる「センス」という言葉で置き換えるにはニュアンスが違うようにも思えます。先にも書きました無駄を削ぎ落とした結果生まれでる凝縮したカタチ、また色彩だ、と言えます。
コレクター気質のある私は作品が欲しくなり展覧会の度に買い求め、自室に架けていますが、色あせるどころか、無くてはならぬ存在になってきています。
それは考え抜いた末生まれる作品は単純なカタチですが、小さな作品の隅々まで意識が働いています。エッジのたった表、裏は、しっかり色が塗られています。白い壁ならうっすら裏の色が影を作るという緻密で考え抜かれた作品です。
最初の展覧会「rearrangement」では何かパフォーマンスをしたらどうか、と投げかけて見ました。すると1ヶ月の会期の中で、毎週土曜日に、4回もパフォーマンスをしました。作品の配置を変更する、まさに模様替えをしていくのでしたが、これにはびっくりしました。毎回、画廊の様子が変わるのですが、最後の展示はこのままにしておいて欲しいというほど、緊張感がある空間に変貌していました。
2回目の「へだてとまやかし」は、レリーフと同じものを直接、壁にテープで描く。パフォーマンスでお客様の前で(あらかじめ計算していたものを)、壁に絵を描き保坂の空間は完成。
そして「余白の外側」においては、完成した絵画と未完の作品を並列におき、未完の作品は初日のパフォーマンスで完成させる。
立体と平面、絵画と彫刻、言葉はいろいろあるのですが、保坂はこの21世紀を、真剣に考え、模索しながら実践していく作家であると思います。

左側作品 スペクトル光線.
右側作品 虹の始まり
いずれも
2015年
アクリル、寒冷紗、MDFボード、
250×12×8cm

左側 ジョイント45°(左側トパーズ/マットグレイ、中央さんご/マットグレイ、右側くろ/マットグレイ)
2017年 アクリル、寒冷紗、MDFボード、
右側
ジョイントの平行投影
2017年 マスキングテープ、壁 サイズ可変

交差点
2019年
アクリル、寒冷紗、MDFボード
10×10×10cm

ふらっとテーブル_01
2019年
亜鉛板
25×20×10cm


双アーティスト展

一色ちか子、伊藤誠、島州一、多田正美、出店久夫、中里伸也、保坂毅、松崎昭彦、山田恵子
2020
627日(土)〜89日(日)
金曜日〜日曜日のみのオープン
13
001800(日曜日は17:00まで)
尚、体調不良の方は御来廊をご遠慮くださいませ。またお越しの際はマスクの着用をお願いいたします。
また今後、新型コロナウイルスの感染状況により、再度休廊とさせていただく場合がございます。最新の情報はホームページやブログなどからご覧くださいませ。