双アーティスト展、今回は伊藤誠の作品のご紹介です。

先週より始まりました「双アーティスト展」。
2人目にご紹介する作家は伊藤誠になります。伊藤は武蔵野美術大学大学院彫刻科を卒業しています。
1993年ACCの助成によりニューヨークに滞在し、トライアングル・アーティスト・ワークショップに参加。1996年から1年間文化庁派遣芸術家在外研修員としてアイルランドに滞在しました。またタカシマヤ文化基金「タカシマヤ美術賞」を受賞しています。
現在、武蔵野美術大学造形学部教授。
伊藤誠の作品は、双ギャラリーでは初めての個展1992年『さまざまな眠り』より一貫して不思議なカタチを追求しています。例えば夢を題材にしたものがよく出てきますが、不条理ともいうべき姿が、そして自身の身体の一部が。しかし、どれを取っても伊藤誠しか作れない何かです。もの派の作品をメインにギャラリーで展開していた私にとっては、それは新しい彫刻の幕開けとも言うべき新鮮なカタチばかりでした。当時彫刻をメインに制作していた作家、岡崎乾二郎と伊藤の二人を指して、新しい彫刻か、と呼んでいたのを懐かしく思い出します。
長い変遷の中で、伊藤は新しい試みに常にチャレンジしていきます。双ギャラリーで企画した『真面目なサーカス』、『三つの拮抗する耳』では初のパフォーマンスを、最近では『予告編』『本編』などでコンセプチュアルなパフォーマンスを行っています。それは単なる彫刻家にとどまることなく、次への新たな彫刻を目指しています。近年はバケツやザルなど企画品をも使い身体に装着するまさに新しい試みの彫刻です。
今回展示している作品は比較的最近のものですが、ごく初期の作品も1点展示しています。写真だけでも、伊藤の作品の一貫性がよく見えます。伊藤の作品をお買いになるのは作家たちが多いのですが、何となく分かる気持ちがしてきます。

BOAT: X-13(撮影/加藤健)
2013年 43×50×25cm
ステンレス、ポリエステル、塩化ビニール、ゴム
 

BOAT:W-13(撮影/加藤健)
2013年
45×50×25cm
ステンレス、ゴム、アルミ、シリコン
 

「2つの90°」(撮影/加藤健)
2017
石膏
59×68×68cm
 

三角形の頂点III
2018
鉄に亜鉛メッキ

半分の頂点II
2018
鉄に亜鉛メッキ

無題
1990年代


双アーティスト展

一色ちか子、伊藤誠、島州一、多田正美、出店久夫、中里伸也、保坂毅、松崎昭彦、山田恵子
2020
627日(土)〜89日(日)
金曜日〜日曜日のみのオープン
13
001800(日曜日は17:00まで)
尚、お越しの際はマスクの着用をお願いいたします。
また今後、新型コロナウイルスの感染状況により、再度休廊とさせていただく場合がございます。最新の情報はホームページやブログなどからご覧くださいませ。