双ギャラリーでは5月12日より、松本春崇の「旅する家縛りプロジェクト 縄の聖地・信州へ」を行う事となりましたので、ご案内申し上げます。
家縛りプロジェクトは、アーティストの松本春崇がコンセプトを立ち上げてスタートしたアートプロジェクトです。家を縄で、その家族や友人たちと一緒に十字に縛り、その記憶や痕跡を残す新しい縄文芸術です。
まずは、家縛りプロジェクトについて、簡単にご説明いたします。
2010年「縄文にはじまる縄の痕跡を用いて現代の縄文芸術を制作する」ことをコンセプトに松本春崇がスタート。制作した縄で家や空間をプレゼントにリボンをかけるように十字に縛り、蝶々結びで結び記録を残す。縛るのはその家の家族や友人、その建物に関係する人々(家族的集団)を中心に集まった人たちと一緒に知恵と力を合わせておこなう。
その結果、家や空間を縛り結んだ縄には、家族を中心とした参加者がよいと思う形(美感、価値観)が現れるので、記録写真や映像はその家の家庭の美学が現れた縄の痕跡となる。同時に参加者の心や記憶にも縄の痕跡が残る。これらの縄の痕跡を現代の縄文芸術と考えている。現在まで国内外で42軒をおこなう。
今回は、縄の聖地ともいえる信州の各地を訪れて家縛りをおこなう他、現地の人たちと縄について話し合ったり、作品を制作します。
東京から縄文遺跡に沿って「縄の聖地」と位置づけた諏訪周辺へ、その道筋で家縛りをしながら縄の記憶と痕跡を作る旅をおこないます。日本の縄文化を現代的な芸術表現として継承し、多様な文化を繋ぎ結んで日本人が大切にしてきた共存の精神を作品に込めて世界へ発信したいと考えています。
この旅により、人にとって縄とは何か、そして縄芸術、文化について考察していきたいと考えます
なぜ信州を縄の聖地としたのか、松本の考察をご一読ください。
日本において縄は道具として使われるばかりでなく、しめ縄や横綱などに象徴される縄文化として、縄文時代から現代に至る一万数千年という長さの中で延々と存在してきました。これは世界でも例を見ないまれなことです。
とくに信州の諏訪周辺では、世界的に評価の高い国宝土偶や多くの縄文土器、住居址が出土し、現在も地元民が手で綯った縄を曳き綱とした御柱祭をおこない、諏訪大社には巨大なしめ縄が奉納されています。
このことから松本は、信州を縄の聖地と考え、日本の縄文化から展開した「家縛りプロジェクト」を旅の形で訪れたいと考えました。
またこの旅のルートは、縄文遺跡から見つかる遺物から、縄文時代から続く人が移動した動線と考えられており、協力してくださるそれぞれの「家」を縛りながらも人の営みの歴史をトレース、掘り起こす作品となると考えています。
制作者は地元の参加者と、hmp(harutaka matsumoto plus。松本春崇と元編集者の角田良江によるグループ名。家縛りプロジェクトや縄作りワークショップなどを実施する。)となります。
これまでも様々な地で家縛りが行われて参りましたが、今回は以下のアートイベントの一環として、双ギャラリーと双ギャラリー関連のsoh@home(千木良の家)についてのお知らせとなります。
双ギャラリー、soh@homeでの家縛りや家縛り展の日程は下記のようになります。また現段階で確定している関連企画等も後述の通りです。
是非御高覧くださいますよう、ご案内申し上げます。
家縛りat 双ギャラリー 2019年5月12日(日)
旅の始まり展at双ギャラリー 5月15日(水)〜26日(日)
オープニングパーティー:5月12日(日)16:00〜
月・火曜日休廊 13:00〜18:00(日曜日は17:00まで)
家縛りat soh@home 6月23日(日)13:00〜15:00
家縛り展at soh@home 6月29日(土)、30日(日)、7月6日(土)、7日(日)13:00〜17:00
企画・主催:家縛りプロジェクト(hmp)
助成:アサヒグループ芸術文化財団
後援:諏訪市、諏訪市教育委員会、茅野市、茅野市教育委員会(申請中)
双ギャラリー
〒184-0003東京都小金井市緑町2-14-35
tel. 042-382-5338 fax.042-382-5589
e-mail: soh-g@soh-gallery.com
https://www.soh-gallery.com
soh@home
〒252-0174 相模原市緑区千木良222-4
JR中央本線相模湖駅より三ヶ木行きバス(湖28桂橋経由、赤馬(あこうま)下車、徒歩5分)
お問い合わせは双ギャラリーまで。
※いずれも駐車場の台数が限られております。公共交通機関をご利用ください。