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一色は、グループ展では何度か作品を出品している作家であるが、個展は2回目である。
ルーツを辿っていくと日本画の出身である。克明に写真を見て描く描写力は、確かに、と頷ける達者さが見える。
バラ、さくら、ラン、きく、アサガオ等などの花を写真に撮り、それを克明に描いている。カタチは例えばバラであっても、それは新たな花に生まれ変わる。一色の意識の、そして技術の産物ともいえよう。
それらは既にバラは、バラでなくなり、アサガオはアサガオではなくなっている。
あるいは数時間、花によっては数ヶ月、咲き誇る命であっても、花はあまりにも儚い。一色はそれらを、久遠の命にうつしかえていく作業のようにも思える。
小さなギャラリーの中で、生命を与えられた花たちは、コウベを上げ凛と誇らしげに咲いている。花たちが枯れてしまったあとに、小さな種子たちを残していくように、一色の花たちは次へと、命をつなげていく。
一色ちか子展
2013年9月20日(金)~10月13日(日)
金・土・日曜日のみのオープン
13:00〜18:00(日曜日は17:00まで)