多田正美展 「音は空か」

展示期間: 2015年4月4日~5月2日

多田正美の展覧会は、何時も何かを問いかけているようです。前回のタイトルは「音は光か」、今回は「音は空か」で、音が、空を飛水しているようです。絵画(写真)の中で自由に飛び、踊っているようなヒトガタが、多田の分身かとも思えてきます。

写真の上から描くメディウムの種類も増え、ドロッピングの様に、恰も自由に画面上を動き回っている様です。作品は、写真を超えた存在になったとも言えます。

展覧会は、5枚の大型写真と13枚の小さな鳥(メジロ)の写真で構成されています。
作品は全て正方形。空は普通は横長で撮影されることが多いのですが、多田は縦に撮り、空の高さに焦点をあてて撮ってきました。しかし今回は真四角です。何故なのでしょう。高さや広さでなく、見えない空の何かを撮りたかったのでしょうか。

小作品に写っている沢山の鳥たちはメジロです。鳥は目が命とも言えますが、その目に焦点をあてています。
白く隈取りした鋭い目に映り込むのは至近の木立なのか、あるいは視線の先には宇宙が広がっているのでしょうか。
この空も、鳥も、多田の家の窓から撮った写真です。何時の頃からか、自宅から見える風景以外を撮ることに、必然を感じなくなったと言っていました。
写真は、写真を超えているのでしょうか。音も、音を超えているというのでしょうか。音と作品は、多田の中で果たしてどんな接点があるというのでしょうか。静かなギャラリー空間に立って考えています。

TADA Masami