会場風景
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会場風景



双ギャラリー20周年展の連続企画、コレクションからなるテーマ展も、写真、絵画、彫刻とシリーズの展覧会も最終の版画に至りました。
版画という複数芸術の技法は多様にあります。今回は夫々の表現方法をもつ作家たちが自己の技法から離れ、版に表現を求めている作品に限定して考えてみます。
日本の二人の作家の版画は、双ギャラリーでエディションを起こしたものです。
関根伸夫の「位相大地」は日本の現代美術の出発ともいわれ、大地に大きな穴を開けそこから掘り出した土を穴の横へ立方体に積み上げたものです。
1968年須磨で行われた野外展での作品ですが、それは作家が意図した以上のスケールにもなり、今後も語り継がれていく重要な作品です。「位相大地」を単に資料としての写真でなく作品として残す方法を模索した結果、作家と私の考えが合致して1986年に巨大な版画として蘇りました。
また吉澤美香のドライポイント、アクアティントの版画は、吉澤が従来から使っているアクリルや紙等の自由な素材での軽快な線を超え、銅板という金属に線をダイレクトに描くという初のチャレンジでした。小サイズ、中サイズそれに1mを超す大型の銅板に、堅い金属という制約を逆に利用したかのような伸びやかで厳しい線を刻んでいきました。その行為から生まれた不思議な形体は、版画作品として秀逸の作品に結集したようです。この作品は1993年に制作されました。
他にコレクションからは、海外のアーティスト、サイ・トゥオンブリとブリンキー・パレルモの作品を展示します。
パレルモの作品は、インスタレーションとしてギャラリーの窓枠にテーピングした、やはり一過性の作品を版画という媒体で残しすというコンセプチャルな作品は、関根の「位相大地」にも通じています。
トゥオンブリの作品は哲学者、詩人の名前を刻んだポートフォリオです。少し不器用にみえるカリグラフィーの線から深い思想や言葉が読み取れてくるようです。
以上の作品から版画という複数芸術を探っていきます。

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