会場風景
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松下誠子は美術大学出身でも、また決して若くから作品を発表してきた訳でもありません。しかし、幼少から描くことを抜きにしては考えられない程、描くことが好きだったそうです。
過去の展覧会では、立体作品が主体でしたが、近年は写真やパフォーマンスの仕事に移行してきたようです。そのパフォーマンスはパラフィンで作った服を着ての行為で、皮膚感覚を伴うもののようです。今回発表した作品は、自作のパラフィンの服を多様な人に着用させ、ポートレート写真を撮ることから始まります。その写真をコンピューターに読み込み、そこに綿密なドローイングや彩色を施していきます。パラフィンは透け、第2の皮膚、松下の皮膚、ともいえるものを他者に纏わせることで、自己の分離を考え、原初から人間の繰り返す営み、描くと言う行為が入って来ます。デジタル化されているため、新しい試みともいえますが、紙や鉛筆、絵具をコンピューターに置き換え、描きたい、作りたいという、どこか素朴な欲求に突き動かされているようにも見えます。彼女の渾沌とした言葉と作品の明晰さ、絵画としての面白さには興味がつきません。

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