会場風景




李允馥(LEE YUNBOK) はソウルの美術大学の彫刻科の講師等を勤めた後、2004年の3月まで東京芸大彫刻科金属室の研究生として1年間滞在しました。
鏡面に磨きあげられたステンレスの輝きは辺りのもの全てを包含し、その巨大な作品は無に帰っていくような錯角を覚えてきます。そこに在り、そして存在を否定するかの不思議な透明感が作品を包んでいます。
現代美術というジャンルに毒されいるものにとっては否定したくなる工芸的、職人芸ともいえるものが、作品の前にいると何時しか消え去り、強い存在感で辺りを占めていきます。
彼が硬質な金属で表現したいのものは、東洋の山水や空気などの存在の不確かなものだと言います。
堅い金属と、空気の存在というこの一見アンバランスに感じるものが、李允馥の世界感かと思われます。
現在のコンピューターやアニメに代表する人工的な作品とは対極にありますが、ネットに管理されている我々には、李の制作するストイックなまでの手作業から生み出されいく作品は、失われたモノへの郷愁ではなく、人間の在るべき姿を開示してくれるように思えます。

   
 
会場風景
金魚
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